Yasumichi Morita Art Works

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Rodin x Morita

生身の身体を被写体とした〈Porcelain Nude〉シリーズで森田恭通が目指したのは、限りなく美しい曲線を切り取ることだった。陶器のような人体の断片に、神の差配した美を見た。翻って新作〈Rodin x Morita〉では、人工物であるオーギュスト・ロダンの彫刻を同じ視線で切り取っている。だが、支持体の上に表れたのは、むしろ生々しい感情だった。物言わずそこに在る“身体”から発せられる欲望や怒りや悲しみは、モノクロームによって強調され、観る者を感情の坩堝へと誘い込む。同時に「人間よりも人間らしい姿」と森田が呼ぶ大理石の彫刻には、経年の染みや汚れがあり、人は表層や形によって感情が揺さぶられることも可視化している。美しさを求めて自然光のみで写した細部から、浮かび上がったのは、人間。まるで慰撫され、汗をかいたような彫刻の肌理に、人間の営みのおかしさが宿っている。

© Yasumichi Morita/Musée Rodin, Paris

  • Rodin x Morita (01)
    THE KISS, 1888-1898
  • Rodin x Morita (02)
    THE KISS, 1888-1898
  • Rodin x Morita (03)
    THE KISS, 1888-1898
  • Rodin x Morita (04)
    THE KISS, 1888-1898
  • Rodin x Morita (05)
    THE KISS, 1888-1898
  • Rodin x Morita (06)
    THE KISS, 1888-1898
  • Rodin x Morita (07)
    THE KISS, 1888-1898
  • Rodin x Morita (08)
    Danaïd, 1886
  • Rodin x Morita (09)
    Danaïd, 1886
  • Rodin x Morita (10)
    Danaïd, 1886
  • Rodin x Morita (11)
    Danaïd, 1886
  • Rodin x Morita (12)
    Danaïd, 1886
  • Rodin x Morita (13)
    Danaïd, 1886
  • Rodin x Morita (14)
    Ève, 1914
  • Rodin x Morita (15)
    Ève, 1914
  • Rodin x Morita (16)
    Ève, 1914
  • Rodin x Morita (17)
    Ève, 1914
  • Rodin x Morita (18)
    THE EARTH AND THE MOON, 1900-1901